市場メカニズムの国際動向
市場メカニズムの国際動向
国際排出量取引 (IET)
IET概要
排出削減目標を達成するために、附属書Ⅰ国同士が排出割当量またはクレジットの取得・移転を行う仕組みです。A国の実際のGHG排出量が割当量以下となった場合、余った割当量 (AAU) をB国に移転・取得することができます。その結果、B国の総排出枠は増えることとなりますが、附属書Ⅰ国内での総排出枠に変化はありません。
排出量取引のイメージ
IETで取扱うことのできる排出枠・クレジットには、以下の種類があります。また、各クレジットの最小取引単位は、1tCO2換算します。
- 割当量単位(AAU)
- 附属書Ⅰ国内における吸収源活動からのクレジット(RMU)
- JIプロジェクトからのクレジット(ERU)
- CDMプロジェクトからのクレジット(CER)
- 新規植林・再植林CDMプロジェクトからのクレジット (temporary CER: tCER、long term CER: lCER)
IETの手続きや条件は、京都メカニズムの運用ルールの中で統一したものは定められていません。
売り手側と買い手側それぞれの附属書Ⅰ国同士で決定されます。
グリーン投資スキーム(GIS)
グリーン投資スキーム(Green Investment Scheme:GIS)とは、国際排出量取引として位置づけられますが、AAUの移転・売却から得られる資金がGHG排出削減または環境改善に活用することとされている仕組みです。
GISの仕組み
GISにおける手順及び手続きについては、IETと同様に運用ルールの中では統一化した手続きは決められていません。売り手側である附属書Ⅰ国と買い手側である附属書Ⅰ国の二国間で、手順及び手続きが決定されます。