【開催報告】パラオにおける二国間クレジット制度(JCM)の実施に関するウェビナー ~JCMを活用したカーボンニュートラル実現に向けたイノベーション~

2022年2月28日

日本国環境省、公益財団法人地球環境センター(GEC)及びパシフィックコンサルタンツ株式会社は、パラオ共和国公共基盤・産業省と共催で、2022年2月18日(金)に「パラオにおける二国間クレジット制度(JCM※1)の実施に関するウェビナー~JCMを活用したカーボンニュートラル実現に向けたイノベーション~」を開催しました。本ウェビナーには、パラオ、日本等から100名を超える参加申し込みがありました。

日本国環境省では、JCMの設備補助事業※2を活用し、優れた脱炭素技術等の途上国への普及を促進しています。本ウェビナーは、JCM設備補助事業について、主にパラオ・日本両国の政府関係者及び民間企業を対象に、同事業の概要や成果を共有し、更なる案件形成やスケールアップを図ることを目的としています。

加えて、日本をはじめ世界各国がカーボンニュートラルを目指す中、省エネルギーの徹底や再生可能エネルギーの導入に加え、革新的なイノベーションが脱炭素社会実現への鍵となっています。本ウェビナーでは設備補助事業のほか、コ・イノベーションによる脱炭素技術創出・普及事業※3、本年度より開始した水素製造・利活用第三国連携事業※4、さらにJCM日本基金(JFJCM)※5につき制度の概要を説明するとともに、各事業の好事例を紹介し、パラオにおけるコロナ後を見据えた脱炭素社会への移行の道筋を探りました。

また、ウェビナー終了後には、パラオにおける新たな案件形成を目的としたウェビナー発表企業との個別面談、さらにJCMの資金支援事業等に関する疑問点や活用に向けたご相談にお答えすることを目的とした個別相談を設定しました。

これらの協議が将来の具体的な事業につながることが期待されます。

1.ウェビナー概要

開催日:2022年2月18日(金)午後2時~午後5時(日本・パラオ時間)
会場:Zoom
主催:日本国環境省、パラオ共和国公共基盤・産業省
支援:国際機関太平洋諸島センター
言語:英語

2.プログラム

  
Session 1. Opening Remarks
Mr. Hajime Sugimura, Second Secretary, Embassy of Japan in the Republic of PalauYoutube動画を開きます 動画
Session 2. Information Sharing on the JCM Progress
Recent Development of the Joint Crediting Mechanism (JCM)
Mr. Masaki Nakayama, Researcher, Office of Market Mechanisms, and Office of Director for International Strategy on Climate Change, Climate Change Policy Division, Ministry of the Environment, Government of Japan
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Introduction of Renewable Energy/Energy Saving Projects in Island Countries
Mr. Tutii Chilton, Executive Director, Palau Energy Administration, Ministry of Public Infrastructure and Industries, Republic of Palau PDFを開きます 資料Youtube動画を開きます 動画
Financing Programme for JCM Model Projects
Mr. Satoru Tango, Senior Manager, Financing Programme Group, Tokyo Office, Global Environment Centre Foundation (GEC) PDFを開きます 資料Youtube動画を開きます 動画
“Financing Programme to Demonstrate Decarbonization Technology for Realizing Co-Innovation” and “Pilot Project for Comprehensive Support throughout the Whole Hydrogen Supply Chain Abroad”
Dr. Ryo Kubo, Senior Manager, Financing Programme Group, Tokyo Office, Global Environment Centre Foundation (GEC) PDFを開きます 資料Youtube動画を開きます 動画
Recent development of Japan Fund for the Joint Crediting Mechanism
Mr. Shintaro Fujii, Environment and Climate Change Specialist, Climate Change and Disaster Risk Management Division, Sustainable Development and Climate Change Department, Asian Development Bank (ADB)
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Session 3. JCM Implementation in Republic of Palau
JCM Project Formation Study in Republic of Palau
Mr. Shigezane Kidoura, Chief Engineering Consultant, Sustainable Development Section, Project Management and Engineering Department, Global Company, Pacific Consultants Co., Ltd. (PCKK) PDFを開きます 資料Youtube動画を開きます 動画
Business Opportunities with Low-carbon or Decarbonizing Technologies in Palau
Ms. Eden Ridep Uchel, Manager, Surangel and Sons Company Mr. Fernando Arnel Gamboa, Chief Electrician, Surangel and Sons Company PDFを開きます 資料Youtube動画を開きます 動画
SoftBank’s Low-carbon and Decarbonizing Businesses Applicable in Palau
Mr. Norioki Sekiguchi, Vice President, Global Business Division, SoftBank Corporation PDFを開きます 資料Youtube動画を開きます 動画
Introduction of Demonstration Project on Green Hydrogen Production in Australia, its Transportation to Palau and Utilization by Fuel Cell and Fuel Cell Boat
Ms. Ryoko Takashima, Business Development Team, Planning & Administration Office, Metals, Mineral Resources & Recycling Division, Sojitz Corporation PDFを開きます 資料Youtube動画を開きます 動画
Session 4. Closing Address
Mr. Xavier Matsutaro, National Climate Change Coordinator, Office of Climate Change, Bureau of Budget and Planning, Ministry of Finance, Republic of Palau Youtube動画を開きます 動画
Individual Meeting among Participants and ADB/GEC/PCKK Consultation (via Zoom Meeting)
  • - Individual meetings between Session 3. speakers and participants
  • - Consultation to ADB including JFJCM
  • - Consultation to GEC or PCKK about JCM and JCM Financing Programme

※1 JCMとは、Joint Crediting Mechanismの略で、途上国と協力してGHGの削減に取り組み、削減の成果を両国で分け合う制度です。日本はこれまで17か国との間でJCMを開始するための二国間文書に署名しています。概要はこちらをご覧下さい。

 ※2 JCM設備補助事業は、優れた脱炭素技術等を活用し、途上国におけるGHG排出量を削減する事業を実施し、測定・報告・検証(MRV)を行っていただく事業です。これにより算出された排出削減量を、JCMにより我が国の排出削減量として計上することを目的として、事業者(国際コンソーシアム)に対し初期投資費用の1/2を上限として設備補助を行います。

 ※3 コ・イノベーションによる脱炭素技術創出・普及事業は、我が国と相手国の協働を通じて双方に裨益あるイノベーション(コ・イノベーション)を創出すべく、質の高い環境技術・製品のカスタマイズ・普及を通じて脱炭素社会を構築し、国内の技術開発への還元等にもつなげていくことを目的としています。

 ※4 水素製造・利活用第三国連携事業では、太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギーが豊富な第三国において、再エネ由来の水素を製造し、パートナー国(島嶼国等)への輸送・利活用を促進する一連の実証事業に対して、補助を行います。

 ※5 JCM日本基金(JFJCM)とは、Japan Fund for the Joint Crediting
Mechanismの略で、導入コスト高から、アジア開発銀行のプロジェクトで採用が進んでいない優れた低炭素技術の導入を促進するためのグラントを提供することを目的とした基金です。

お問い合わせ先:

パシフィックコンサルタンツ株式会社

メール:JCM_pckk@tk.pacific.co.jp