ウェビナー傍聴:Ecosystem Marketplace説明会:2024年の自主的炭素市場の状況(2024年5月30日)
2024年6月10日
「Ecosystem Marketplace説明会:2024年の自主的炭素市場の状況」
日時:2024年5月30日(木)
主催:Forest Trends, Ecosystem Marketplace (EM)
本ウェビナーでは、Ecosystem Marketplace (EM)が2024年5月末に発行した年次レポート「2024年の自主的炭素市場の状況(2024 State of the Voluntary Carbon Markets)」が紹介され、プロジェクト開発者およびVCMIからコメントやそれぞれの取組が共有された。
レポートによれば、自主的炭素市場全体では、2023年は取引総量と取引総額の両面において2022年より縮小し、2021年以前の水準に戻った。これは、「森林・土地利用」と「再エネ」のカテゴリーにおける取引量が前年比で大幅に減少したことに起因している。また、取引価格については微減に留まっており、環境・社会的なコベネフィットを有するクレジットは、そうでないものよりも高い価格での取引が行われた。その他、カテゴリーやタイプ別または地域別では取引の増加が見られるものがあることが共有された。
プロジェクト開発者の立場からは、昨今の自主的炭素市場の信頼性への懸念による厳しい市場環境について言及があり、品質レーティングサービスやクレジット制度による評価やモニタリングの課題が指摘された。また、そもそもの森林保全やコベネフィットの重要性と、それを実現するためのクレジット価格の上昇の必要性が強調された。クレジットの需要側の基準策定に取り組むVCMIからは、企業による初めてのVCMIの活用事例の紹介や、VCMIやICVCMに沿った政府の自主的炭素市場への関与について言及された。
(2024 State of the Voluntary Carbon MarketsはEcosystem Marketplaceウェブページからダウンロード可能:こちら)
傍聴報告はこちらからご覧いただけます。