COP26サイドイベント傍聴:炭素市場とネットゼロ - 国内、国際、自主的市場のトレンドと展望(2021年11月4日)

2021年11月16日

「炭素市場とネットゼロ - 国内、国際、自主的市場のトレンドと展望 (Carbon markets & net-zero: trends and prospects in the domestic, international and voluntary markets)」

開催日:2021年11月4日(木)
主催:International Carbon Action Partnership (ICAP); Environmental Defense Fund (EDF); European University Institute; Oeko-Institut, World Wildlife Fund (WWF); International Emissions Trading Association (IETA)

本ウェビナーでは、近年多くの企業、国及び非政府組織がネットゼロ目標を設定している状況に対して、排出量取引制度及びカーボンクレジットの活用が果たす役割について、政府機関、研究機関、NGO等による関連する取組が共有された。ドイツ環境省からはネットゼロ目標達成に向けたEU-ETSの検討状況、ICAPからは排出量取引制度における炭素除去クレジット活用の可能性に関する検討、欧州大学院からは排出量取引制度のリンケージに向けた取組、WWFからはカーボンクレジットのスコアリング評価の枠組みの構築に取り組むイニシアティブであるCarbon credit quality initiative (CCQI)について、それぞれ発表が行われた。
EU-ETSに関しては、今後の排出上限の引き締めや対象範囲の拡大に伴う炭素リーケージや域内の社会・経済への影響の対処が課題として挙げられた。また、各国・地域で実施されているETSのリンケージは削減コストの低下及びグローバルな野心向上を促進することが期待されるが、共通の炭素価格帯の設定など多くの調整が必要であることが指摘された。炭素除去の観点からは、ETSに炭素除去クレジットを組み込む複数のモデルが整理され、削減と除去のバランスを取ることの必要性と難しさが指摘された。自主的炭素市場の観点からは、カーボンクレジットの品質にばらつきがある現状を踏まえて、クレジットの評価とそれによる品質向上の重要性が指摘された。

※本ウェビナーの録画はEUClimateActionのYoutubeチャンネルチャンネルから閲覧可能。

傍聴報告はこちらからご覧いただけます。