ウェビナー傍聴レポート:IETAライブシリーズ-6条のビジネスへのリスクを回避する / 課題と解決策の提案

2021年5月24日

「IETAライブシリーズ-6条のビジネスへのリスクを回避する:課題と解決策の提案 (IETA LIVE SERIES - DE-RISKING ARTICLE 6 FOR BUSINESS: CHALLENGES AND PROPOSED SOLUTIONS)」

日時:2021年5月11日(月)
主催:International Emissions Trading Association (IETA)

本ウェビナーでは、IETAとPollinationはChildren’s Investment Fund Foundationの支援により、パリ協定6条2項におけるITMO取引の法的リスクを分析したレポート「Legal Gap Analysis for transactions –In Preparation for Article 6-」について紹介された。同レポートは、民間セクターが直面するリスクにフォーカスし、ITMO取引の各ステップにおけるリスクを特定し、様々なリスク軽減策を提案している。

主なリスクとして、1)ホスト国によるITMO承認、2)ホスト国による6条データベースへの報告、3)ホスト国による隔年透明性報告書の提出、4)ホスト国によるNDC目標達成、5)緩和成果の環境十全性の確保、に失敗することが挙げられた。

これらリスクへの軽減策には、契約的措置と構造的メカニズムによる措置が想定される。契約的措置としては、ITMOの販売側と購入側における調達契約において、ホスト国によるITMOの承認や相当調整などの必要手続きを円滑に進める、もしくは手続きの失敗に対処する対策が提案された。次に構造的メカニズムによる措置としては、特に複数のレジストリを連結したメタレジストリの構築による透明性の向上やITMO売買に関わるプレイヤーが参加するマーケットクラブの設立とクラブルールの策定によるリスク軽減が有効な措置として提案された。

ディスカッションでは、効果的なメタレジストリのあり方、6条4項メカニズムにおけるリスク、6条の実施に向けたCOP26での交渉の役割などについて議論が行われた。

※本ウェビナーの関連資料及び録画はIETAのウェブページから閲覧可能。

傍聴報告はこちらからご覧いただけます。